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黄金奉行/半村良と安岡正篤/坂崎いるか、作家への道396

  1. 2008/02/27(水) 12:32:42|
  2. 坂崎いるか、作家への道|
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◇ 先週末に図書館で、安岡正篤のいかに生くべきか という本を借りてきて読んでいるが、かなり難解である。

まあ、人生論のようなものだが、かなり歯ごたえがある。


で、一緒に借りてきた、半村良 の『黄金奉行 上・下』がなかなか面白く、ついついこちらを読んでしまう。

半村良の伝記SF小説『伝説シリーズ』の流れを汲んでいるが、『慶長太平記3部作』(『黄金の血脈』、『彷徨える黄金』(さまよえるおうごん)、『黄金郷伝説』の3部作です)、『講談大久保長安』 などの黄金と山人と呼ばれる日本の先住民、古族の世界観に繋がります。

隆慶一郎の『影武者 徳川家康』、『捨て童子・松平忠輝』なんかの世界観とも同様のものがあります。


◇ 日本の二重民族説が基本ですが、日本の先住民の縄文人の流れをくむ『山人』と、大和朝廷をつくった弥生人である『平地民』の生き方の違いが物語を作ります。

縄文人の流れをくむ『山人』は、大和三山とか、人口造山(ピラミッド)を多くつくるほどの土木建設技術を持っていたようです。

当然、砂金や鉱物採掘の技術も持っていて、丹生とか、丹という地名の水銀が産する土地があったりして、水銀を使って金などを精製する技術も、大久保長安 の辺りには西洋から伝わってきていて、佐渡の金山、石見の銀山の開発が盛んになります。



◇ この大久保長安が黄金奉行の最初のものなのでしょうが、有名な大久保長安事件 というものを引き起こします。このあたりの話は『講談大久保長安』に詳しいです。

大久保長安は謎の多い人物で、出自は韓国系の渡来人か、異人(外国人)ではという説もあり、最初は武田信玄の元で鉱山開発などしてるんですが、その後、大久保忠隣に大久保の姓をもらって、徳川幕府の金山奉行として辣腕を振るい、八王子に旧武田家の旧臣を集めたりして(八王子千人同心)、権勢を誇るのですが、死後、不正がばれて、一族皆殺しになってしまいます。

これが、大久保長安事件 なのですが、大久保忠隣、伊達政宗、池田輝政、家康の子供である松平忠輝なども巻き込んだ幕府転覆計画があったのでは?というお話だったりして、これが面白い訳です。


一説には徳川幕府内部の本田正信親子 VS 大久保忠隣の暗闘ではないか?とも言われています。


◇ 半村良の『講談大久保長安』 、『慶長太平記3部作』(『黄金の血脈』、『彷徨える黄金』(さまよえるおうごん)、『黄金郷伝説』の3部作です)、隆慶一郎の『捨て童子・松平忠輝』がこの共通のテーマで書かれています。


半村良も隆慶一郎も、山人たちが、日本の中に自由な独立国を作るというテーマの小説を書くのですが、

 

隆慶一郎の『影武者 徳川家康』なども、家康は関が原で一度、死んでいて、実は山人系の影武者が身代わりになって生き延びるために、二代将軍秀忠と暗闘を繰り広げるというストーリーになっていまして、石田三成の腹心である島左近が生きていて参謀になっていたり、家康の大御所政治は、駿府城に独立国を築くためという展開はほんとわくわくします。

隆慶一郎の『吉原御免状』なども、忍びの者が平和な世界で生きていくために独立国を作るためだったり、要するに、自分の生きていく場所をどこかに作りたいという思いの小説が多く、人間というのは、そういう安住の地を求めるものだと深く納得したりしました。



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